異方性導電フィルム(ACF)×タイ現地スリット加工で電子機器の省スペース化を実現|接続・絶縁・接着を1枚に統合
OA機器・EMSの現場では、製品の薄型化要求とコスト低減要求が同時に強まる一方、接続・絶縁・接着を個別部材で担う従来の実装方式が限界を迎えています。当社は、高機能異方性導電フィルム(ACF)への材料統合と、タイ拠点での現地スリット・小ロット供給を組み合わせることで、機器内部の省スペース化・歩留まり改善・コストダウンを同時に実現するソリューションを提供しています。すでに複数のOA機器メーカー・EMSで採用が進んでいます。
OA機器・EMSの現場で起きている「省スペース化」と「コスト低減」の同時要求
OA機器・EMS(電子機器受託製造)の領域では、製品のさらなる薄型化・小型化が市場要求として年々強まっています。同時に、最終製品の価格競争は厳しさを増しており、機能維持とコストダウンの両立が設計・調達部門の最大の課題です。特に電子部品の接続部分は、導通・絶縁・接着という3つの機能を別々の部材で担うのが従来の常識でしたが、これが組立工程の複雑化・厚み増・コスト増を生む構造的なボトルネックになっています。タイ現地工場の製造ラインでは、こうした接続部品起因の歩留まり悪化や、組立工程の非効率がすでに顕在化しています。「製品をもう一段薄くしたい。でも接続強度・絶縁性能・接着信頼性は落とせない。さらにコストも下げたい」――こうしたお困りごとが、ASEAN現地工場の設計・調達部門から数多く寄せられています。
なぜ省スペース化できないのか:単機能の接続・絶縁・接着部材を重ねている実装方式の限界
現場立会いと実装データ・歩留まりデータの照合から特定された根本原因は、次の2点に集約されます。・接続箇所の実装スペース不足:複数部材が重なることで、設計の自由度が失われている・導通/絶縁/接着の三役を別部材で担う非効率:部材ごとの位置決め・貼付工程が増え、組立時間と不良率が増加これらは個別の部品改良では解決できず、材料設計レベルでの統合が必要です。原因特定の根拠は以下の3点の突合せです。・顧客製造現場での立ち合い観察・実装データ・歩留まりデータの突合せ・既存部材構成のコスト構造分解
これまで試した対策とその限界
多くのお客様で先行して試みられてきた対策には、共通の壁があります。・より薄手の導電テープへの置き換え:接続強度が不足し採用不可・現地汎用ACFの採用検討:耐熱・耐薬品の要求物性で未達・工程簡略化による組立工数削減:根本的な薄型化・コスト低減には到達せずこれらの限界を踏まえると、「導通・絶縁・接着の3機能を1枚で実現する高機能ACFへの材料統合」と「現地での加工・小ロット供給による評価・量産対応の加速」が、もっとも実効性の高い打ち手として浮上します。
解決アプローチ:高機能ACFへの材料統合 × タイ現地スリット × 小ロット供給
当社は、高機能異方性導電フィルム(ACF)への材料統合を軸に、以下3つの組み合わせで設計段階から量産までを伴走します。
STEP. 01
高機能ACFグレードの探索とサンプル試作
日系メーカーの高機能ACFラインナップから、耐熱性・耐薬品性・接続強度・接着信頼性などの要求物性を満たす最適なグレードをマトリクス比較で選定します。サンプル試作を経て、顧客の実装条件で機能検証を進め、量産前のリスクを最小化します。
STEP. 02
タイ拠点での現地スリット加工とライン直投入
タイ拠点のネットワークを活用し、顧客指定の幅・サイズへスリット加工。ライン直投入可能な形状で供給することで、評価から量産まで段差なく移行できます。現地通貨建ての見積・決済にも対応します。
STEP. 03
日本国内外の役割分担と短納期化
日本側でACFの評価・処方提案・耐熱データ整備を、タイ側で量産スリットと現地在庫を担います。両拠点の役割分担により、評価フェーズの試作スピードを最大化しつつ、現地工場への短納期供給も同時に成立させます。
フジケミ・トレーディングの提供体制:日本本社×タイ拠点×水戸加工センターの三角連携
本ソリューションは、3拠点の役割分担で成立しています。・本社・技術:ACF評価/処方提案/耐熱・耐薬データ整備/顧客窓口・タイ拠点(現地法人):現地スリット加工/現地在庫保管/現地通貨建て見積・決済・水戸加工センター:日本側スリット・抜き加工の並行運用/評価用サンプルの即出荷●供給体制:客先指定幅でのスリット小分け・海外在庫対応・評価用少量サンプルの即出荷が可能です。評価フェーズから量産まで、シームレスに伴走できる体制を整備。
導入による成果:部品点数削減・薄型化・歩留まり安定の同時達成
導入企業からは、以下のような定性・定量の成果報告をいただいています。・1枚で接続・絶縁・接着を実現することによる部品点数削減・重ね層が減ることによる製品薄型化・歩留まりの安定(実装不良の低減)・部材統合効果によるコストダウン・在庫管理対象SKUの削減●導入リードタイム:客先試作・評価を国内外で分担することで量産までを短期化。
想定される波及効果と横展開:ACF×現地加工が拓く3つのリターン
ACFへの材料統合は、本ケース以外の領域へも横展開可能です。社内提案の材料としてもご活用ください。1.他のFPC・ガラス基板接続案件への展開カメラモジュール・センサ・車載ディスプレイなど、FPC接続を伴う案件全般に応用できます。スマートデバイス・ウェアラブル機器・車載コックピットなど、薄型化と高信頼接続を要求する分野はすべて対象です。2.組立工程の簡略化 → 製造ラインのスループット改善部材統合により組立工程が減れば、製造ラインそのもののスループットが改善します。ライン能力増設なしの増産打ち手として、製造部門の評価が高まります。3.ASEAN内での標準部材化と問い合わせ獲得タイで採用が決まったACFを、ベトナム工場・中国工場へも同仕様で展開することで、グローバル本社の調達部門が望む「標準部材化」を実現できます。加えて、ACF評価ノウハウを活かした「小ロット評価キット」化により、新規顧客からの問い合わせ獲得にもつなげられます。
同業他社との違い:なぜフジケミ・トレーディングが選ばれるのか
フィルム原反のみを取り扱う商社が多い中、当社は「ACF評価+現地スリット+小ロット即納」までを1社で対応できる点が独自の強みです。タイ現地で日系品質を維持できるネットワークを持つ商社は限られており、評価フェーズから量産フェーズまで担当窓口を分断せずに進められます。・原反販売型商社との違い評価・加工・小ロット即納まで一気通貫・現地系商社との違い日系品質基準・日本語サポート・経営層向け資料を提供・加工屋との違い材料選定・グレード提案・耐熱データ整備まで対応
製品情報:異方性導電フィルム(ACF)のスペック概要
採用実績のある異方性導電フィルムは、用途と実装条件によって複数のグレードからお選びいただけます。代表的な仕様は以下の通りです(詳細スペックはお問い合わせください)。
項目仕様製品タイプ異方性導電フィルム(ACF)/機能性フィルム主な機能導通(異方性)/絶縁/接着の3機能を1枚で実現耐熱性用途に応じて複数グレード(リフロー対応グレードも選定可)接続対応FPC-FPC/FPC-基板/FPC-ガラス/その他加工対応幅指定スリット/指定形状の抜き加工/巻取り出荷最小ロット評価用少量サンプル即出荷可(要問合せ)対応拠点日本(水戸加工センター)/タイ拠点/ベトナム・中国でも対応可
活用方法・運用例
・評価フェーズ:少量サンプル即出荷 → 顧客社内での実装試験・量産前準備:日本側で耐熱・耐薬データ整備、タイ側で量産スリット仕様確定・量産フェーズ:タイ拠点で現地在庫+指定幅スリット供給、ライン直投入・ASEAN内横展開:タイで採用したACFをベトナム・中国拠点へ同仕様展開
FAQ(よくある質問)
ACFの選定基準を教えてください
接続強度・耐熱性・耐薬品性・実装方式(熱圧着条件等)の4軸で選定します。顧客の実装条件をヒアリングの上、最適なグレードをご提案します。
評価用の少量サンプルは依頼可能ですか
はい、評価用の小ロット供給に対応しています。希望サイズ・必要枚数・実装条件をお知らせください。最短で即出荷可能です。
タイ以外の海外拠点でも供給可能ですか
はい、ベトナム拠点・中国(上海)拠点でも供給可能です。複数拠点を持つお客様の標準部材化もご支援します。
スリット加工の最小幅はどのくらいですか
製品グレードにより異なります。要求幅・公差をお知らせいただければ、対応可否を即答します。
量産安定供給のリードタイムは
顧客指定幅でのスリット小分けは、現地在庫から短納期で対応可能です。詳細は仕様確定後のお見積で提示します。
関連する用途・課題別の提案
■FPC離型フィルムの小ロット・スリット加工|在庫品から短納期で評価サンプルを供給■自動車部品向けタイ現地在庫で生産ライン停止リスクを低減|成形樹脂・ゴムをBCPスキームで供給
コストダウン
タイ拠点
小ロット・スリット加工
機能性フィルム
海外現地加工
異方性導電フィルム(ACF)
高機能材料 x 新規開発
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